医師 登

時代小説を読んでいて、登さんというお医者さんにお目にかかるのはこれで三度目です。今読んでいるのは、宮部みゆきの「この世の春」。主役ではありませんが重要な役どころです。

最初の登さんは山本周五郎の「赤ひげ診療譚」の保本登、次は藤沢周平の「獄医立花登手控」シリーズ、そして、「この世の春」の白田登。のぼるさんの場合、昇さんもあり得るのに、3人とも登さん。それどころか人物設定も、長崎帰り、もしくはこれから長崎へ向かうエリート青年医師。偶然であるはずがありません。後の作家の頭の中にかつての登さんがいたからだと思います。

「この世の春」はドラマ化されていませんが、前2作はドラマ化もされていて、2人の作家の代表作です。どれも面白いけれど、「この世の春」の映像化は難しいでしょうねえ。特に主役の北見重興は難しすぎて誰がやるんやって感じです。これは、想像力を膨らませられる小説ならではのだいご味で映像化したら、一挙にしぼみそう。

まだ他の登さんもいるのかなあ。ご存じありませんか。

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